ABARTHの話 番外編1【ABARTH 850 COUPE SCORPIONE ALLEMANO】
2021年02月20日
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さて、前回までの記事でカルロ・アバルトの生涯をお伝えいたしましたが、
さらに一歩踏み込んで、彼が遺した名車を数回にわたってご紹介させて頂ければと思います。
第一回といたしましては、
ABARTH 850 COUPE SCORPIONE ALLEMANO
をご紹介させていただきます!
カルロ・アバルトは優秀な技術者でありながら、最強のサイドカー・レーサーでもありました。
3回目の登場
その技術、スピードにかける想いから、周りの人々と衝突することもあったようです。
そんな彼が採算を度外視し、最も情熱を注いだクルマの中の1台ともいわれているのが
このABARTH 850 COUPE SCORPIONE ALLEMANO です。
1949年に設立されたABARTH&C. にとって、その名を世に大きく示したのが、
前回の記事でお伝えした ABARTH 750GT です。
しかしこの750GT は、レースにおいての走行性能を重視して製作されたため、
一般のファンには決して扱いやすいとは言えず、快適性においても普段乗りには厳しいものでした。
そこでカルロ・アバルトは750をベースにした、より快適でエレガントな新しい車の開発に着手します。
デザインは巨匠ジョバンニ・ミケロッティのアイデアを元に、カロッツェリア・アレマーノが手掛けました。
完成したボディに新開発の833ccエンジン、ウェーバー製キャブレターを組み合わせ、
52馬力を発揮。軽量な車体と相まって、最高速度は750GTと同じ、160km/hを記録しました。
(後に生産された Sバージョンでは、847cc/57馬力を発揮)
1959年、フランクフルトショーにて発表されたFIAT ABARTH 850は、
デザイナーに敬意を表しALLEMANO の愛称で呼ばれるようになりました。
このように、850 ALLEMANOはカルロ・アバルトの想いが込められた作品ですが、
販売面においては残念ながらあまり芳しくなかったことが記録されています。
販売価格は当時の値段で$3,385。
これはポルシェ・スピードスターやアルファロメオ・ジュリエッタ・スパイダーなどと同等の値段で、
生産台数は極めて少なく、一般的に200台以下というのが通説のようです。
本田宗一郎とHONDA・1300との関係に似ている?
しかしこの美しいボディラインとメカニズムは現在でも色あせることがなく、
世界中のファンの間で愛されていることは間違いありません。