空冷エンジンの話
2021年01月23日
いつもジロン自動車のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
先日のブログの最後に登場した 2代目チンクエチェント Nuovaは、
FIAT社初の空冷2気筒エンジンということでした。
空冷エンジンはそのバタバタという音と振動が魅力のエンジンです。
そこで、今回は空冷エンジンとは何ぞや?というテーマでお伝えできればと思います!
FIAT社初の空冷2気筒エンジン
現在では空冷エンジンはバイクやスクーター、芝刈り機等に搭載されていますが、
現在空冷エンジンの自動車は生産されておらず、全ての新車は水冷エンジンを搭載しています。
両エンジンの大きな違いとしては、
空冷エンジン・・・外気をエンジンの主な冷却源とするエンジン
水冷エンジン・・・ラジエターを通って冷やされた冷却水(クーラント)
を主な冷却源とするエンジン
があります。
最後の空冷エンジン搭載自動車 ポルシェ993型911(1993〜1998)
空冷エンジンの特徴としては、
冷却水が巡るラジエーターやウォーターポンプを搭載しないため、
構造が簡単/低コストで製造可能
エンジンの熱を効率よく発散させるため、冷却用フィンがエンジンについている
空冷エンジンの冷却用フィン
こんな感じでエンジン本体と接続します
水冷式エンジンに採用されているウォータージャケットが無いため、エンジン音/振動が大きい
エンジン自体の温度が安定しないため、エンジン内の燃焼管理が難しく、
排ガス規制への対応が困難
(この理由の為、先のポルシェ933が最後の空冷エンジン車となりました。。。)
などが挙げられます。
水冷エンジンのウォータージャケット
シリンダー横の細長い穴に冷却水(クーラント)が巡っています
併せてエンジンからの振動/音を吸収、静粛化にも一役買っています
また、ほとんどの空冷エンジンは、冷却を車外からの空気に頼っているわけではなく、
エンジンからの回転を動力にしたファンやブロワーからの風を直接エンジン本体に当てる、
強制空冷式を採用しています。
アイドリング時でも風が絶え間なく当たり続けることで、オーバーヒートを防いでいます。
真夏のドライブでも、意外と安心して乗れるようですよ!
独特の振動、音が魅力の空冷エンジンが発売されなくなって久しいですが、
もし、再び日の目を見ることになれば、とても面白いですね!!