ABARTHの話 番外編2【FIAT ABARTH 1000 BIALBERO】
2021年02月25日
いつもジロン自動車のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回もABARTHの話 番外編といたしまして、
カルロ・アバルトの情熱が注ぎ込まれた車の中の1台ということで、
FIAT ABARTH 1000 BIALBERO
の紹介をさせて頂きたいと思います!
1950年代後半より、モータースポーツ界で躍進を続けていたアバルトですが、
最高速度記録の分野にも力を入れ始めていました。
ABARTH 750GT
500cc/750cc クラスにおいてはもはや敵なしの状況となっており、
次にアバルトが狙いを定めたのが1000ccクラス。
そこで1960年にアバルトは982ccのDOHCエンジン(ビアルベーロ)を開発し、
同年、アウトドローモ・モンツァサーキットにおいて見事記録を塗り替えます。
宇宙船みたいなレコード・カー
当時の最高速度記録に関しては、瞬間的な最高速度ではなく、
3時間/6時間/12時間/24時間平均の記録を算出する方法を用いており、
単純なエンジンの性能だけではなく、高い耐久性も要求されました。
そんな中での新記録達成ということで、エンジンのパフォーマンスは折り紙付き。
そのエンジンをGTカーであるレコード・モンツァに搭載したのが初代ビアルベーロです。
1960年11月のトリノ・ショーにて発表され、982ccエンジンにウェーバー製キャブレターを組み合わせ、
当時の1000ccエンジンでは他に類を見ない、91hp/7100rpmを発揮しました。
このFIAT ABARTH 1000 BIALBERO はすぐさまレースに参戦。
エントリーしたすべてのレースで勝利を収めるという偉業を成し遂げています。
最強の名を欲しいままにしたこのクルマですが、その後もボディやエンジンに改良を加え続け、
1962年にはボンネットをロングノーズ化、特徴的なダックテールを搭載したBIALBEROは、
最終的には104hp・最高速度は216km/hを記録しています。
その後、1964年にレースのクラス分けが1000ccから1300ccへと引き上げられたことで、
ビアルベーロの活躍の場はイタリア国内のレースだけに制限されてしまいますが、
FIAT ABARTH 1000 BIALBEROはレース界において伝説を作ったことは間違いありません。
現在でもクルマ好きの方たちの手に渡り、大事に乗られている個体が相当数残っているようで、
イベントなどで見かける機会もあるかもしれませんね!!